サルの被害をなくすために
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サルによる被害をなくすためには、サルのことを学習し、捕獲、追い払い、防除柵の設置、環境整備により総合的に対策を行うことが
必要です。
まずは、サルに 「畑や人家周辺は餌場ではない!」 「人や集落は怖い!」 と覚え込ませることが重要です。
●サルの特徴
能力・・・ 学習能力が高い。特に記憶がよい。
運動・・・ 運動能力が高い。数ミリのへこみや突起があれば壁を登ることができます。
視力・・・ 視力は人間なみ。餌の確認は目で行います。
行動・・・ 集団生活をしていますが、行動はバラバラです。
他のサルの真似をしたり、協力してものを持ち上げたりすることはできません。
●サルの一生
寿命・・・ 野生のサルは、長生きをしても20歳程度です。
出産・・・ 最初の出産は6~7歳で、3年に1回のペースで出産します。但し、栄養状態が良くなると、1~2年に1回程度出産することも
あります。
離別・・・ オスは5~8歳に成長すると生まれた群れを離れます。
群れを離れたオスは、他の群れに加入したり、オスグループを形成したりするほか「ハナレザル」として単独生活を送ります。
●香美町のサルは群れで動き、1日の大半は餌探しです
長年香美町で暮らしているサルはいつ、どこに、どのような餌があるか知っています。
季節ごとには、だいたい決まったコースを動いて、餌を探します。
(近年、対策の進んでいる集落は出没が減っています。)
●香美町のサルは「楽しておいしい物を食べたい」と考えています
「楽しておいしいもの食べたい」は人間と同じ・・・
香美町のサルは畑や人家においしものがたくさんあることを知ってしまいました。
そしてこれが意外と『楽』に手に入ると思っています。
●しょせんサル知恵、しかし命がけです
確かにサルは知恵があり、器用でもあります。
しかし、所詮サル知恵。
知恵比べで人が負けることはありません。
ただし、食べていくことが生活のすべてであるサルは食べることには命がけ。必死です。
これに対抗するにはこちらも必死にならなければなりません。
まず香美町のサルのこと、これだけは知っておいて下さい。
●サル知恵に勝つために!
サルが狙っている食べ物を 無くす! 隠す! 囲う! の三原則を実施しましょう。
できない物については、サルが怖くて近づけないように
●とにかくサルを見たら追い払う。
●サルがどこにいても追い払う。
●サルが何をしてても追い払う。
収穫期でない田畑にいるときも
どうでもいい道ばたの草を食べているときも追い払いをして下さい。
集落に来たら嫌な思いをさせることが大事です。
●サルがおいしい餌と思っているもの (畑の作物以外で)
●傷んだり、以前に食害されて放置された作物
●田畑、庭に捨てられた野菜クズ (畑の作物以外でも)
●誰も収穫しない柿、グミ、イチジク、クワの実やタケノコ
●落穂、稲のヒコバエや芋のツル、豆ガラなど人の食べないもの
●簡単に入れる納屋に保管された作物
●カギのかかっていない家の中の果物
●お墓のお供え物
香美町のサルが「楽しておいしい餌」と思っているものをなくさなければ、サルの餌付けと同じになってしまいます。
餌が少なく、怖いことが多ければ、サルは集落を敬遠します。
そうすれば集落に出没しなくなり、被害は減ります。
やれば必ず効果がでてきますので、ひとりでも多くの人が、少しでも早く実行しましょう。
●サルの追い払いについて
(一人でも多くの人で追い払いを)
サルにとってしつこく追い払いをする人は怖い人、追い払いをしない人は怖くない人と認識されます。
一人でも多く追い払いを行って下さい。
また、群れを追い払う場合、時として危険を招く事も考えられます(婦人や老人はあまり怖くないと認識しています)ので、集落の方々で協力
しあい、複数人で追い払いを行って下さい。
大勢に追われることにより「近づくと危険だ」「この集落は怖い」と学習させることができます。
(放れザルは危険)
ハナレザルは群れのサルと違い攻撃的です。一人で追い払おうとすれば、威嚇や攻撃をしてくることもありますので、放れザルを見たときは、周りに声をかけ、複数人で追い払いを行って下さい。
(花火はサルを狙って)
追払いの際に花火を打つときはサルをめがけて打ちましょう。花火の音には慣れていますが、自分の近い場所で爆発した場合には驚いて逃げていきます。(エアガンを使うのも効果的です。)
※注意
●花火やエアガンによる追払いの際には、周りに人やその他の動物がいないか確認し、事故が起こらないよう十分に注意をして下さい。
●乾燥時の花火の取扱いには十分気をつけて下さい。
(散歩も犬といっしょに追い払い)
サルは人目を避けます。逆に人がいれば出にくい
という事になり、散歩をすることでその状況がつくれます。
特に犬を連れているとかなり効果的です。
(サルを地区から早く去らせる追い払い)
サルは移動方法を妨げられると、なんとかその方向へ行こうとその場に長くとどまっていしまうことがあります。
サルが地区に来たら押し戻すのではなく、隣の地区と連携し、山の中を通らせながら足を速める方向へ追い払いましょう。(中年のメスザルが群れを率いていますので、本体を追い払えば遅れてその他のサルがついていきます。)
(家に登るサルをくい止める)
家へ登るサルは雨どい等をつたって登るため、つたう場所に両面テープを巻いたり、グリスをぬったりするとサルはベタベタするものを嫌うため、登りにくくなります。
●サルの農地への侵入防除について
設置が容易でコストが安くサル・イノシシ・シカも防除できる通電式ワイヤーメッシュ柵の設置を勧めています。
鋼棒を支柱にワイヤーメッシュを結束線で固定し、鉄筋上部に塩化ビニールパイプを取り付け、碍子の代わりにクリップをつけ、コードを通したもの。
コード・アルミテープを巻いた支柱にプラス電力、ワイヤーメッシュにマイナス電力とし、サルが登る際にコードに触れると感電し農地への侵入を防ぐものとなっています。
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