国内外で活躍する町出身者 第4話
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国内外で活躍する町出身者 第4回は、マジシャンとして、世界各国で公演を行っている片山幸宏さんにお話をお聞きしました。(広報ふるさと香美 令和元年7月号(第172号)より)
~やりたいことを突き詰めやすい環境で育つ~
ー幼少期はどのような子どもでしたか。
片山 あまりたくさんのことはできず不器用でした。よく言えばひとつのことを貫いてやるような少年だったと思います。
ー香美町での暮らしや経験は、これまでの人生に生かされていますか。
片山 よい意味で香美町はいろいろなものにあふれすぎていないと思います。都会で育っていたら、放課後にカラオケに行くとか興味がほかに移ってしまっていたかもしれません。僕の中での娯楽はマジックをすることだったので、研究したり練習したりとやりたいことを突き詰めやすい環境だったと思います。
―地元を離れてからの活動について教えてください。
片山 現在、京都市内で社会人をするかたわらマジックをしています。平日は水道管の設計の仕事をして、休日にマジックをするという感じです。年間でおよそ50公演くらい行っています。
マジックの活動として、最近は5月1日~13日に開催されたイタリアとスイスの大会に招待されて出場したり、地域でショーをしたりしていました。
~小学校2年生のときマジックと出会う~
ーマジックに興味をもったきっかけを教えてください。
片山 射添小学校2年生の頃、担任の先生が見せてくれた、手からチョークを出すというマジックにインスピレーションを受けたことと、ちょうどその頃、通信教育教材の付録でマジックセットがもらえて、それに興味を持ったことがきっかけです。
マジックを本格的に取り組んだのは、大学に入ってからです。所属していたのが奇術部という名前がちょっとうさんくさい部なんですが(笑)。ちゃんと顧問の先生もいて、講義が終わった後、夜遅くまで練習するような本格的な部でした。技術向上のため練習に明け暮れました。
ーマジックでやりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
やはり「マジックすごいな」と会場が盛り上がったときです。人間、生きてると苦労も多いので、マジックを見に訪れたお客様には「楽しかったな。充実したときを過ごせたし明日も頑張ろう」と思ってもらえたら本望です。
~スタンディングオベーションに感動~
ー世界第3位となったFISM2018について教えてください。
片山 初出場した2015年のイタリア大会に引き続き、指先の技術を競う、 「マニピュレーション部門」に出場しました。
本大会では、空のワイングラスの中にカードを出現させるマジックなどを披露しました。マジックが終わった瞬間、スタンディングオベーションで迎えていただき、ただただお腹の中からあたたかいものがこみ上げてくるような、言葉では言い表せない感動を味わうことができました。
~世の中になれないものはない~
ー今後の展望を教えてください。
片山 3年に1度開催されるFISM、次回は2021年、カナダのケベックが会場となります。もう国内予選が始まりますが、できれば別部門で出場したいと思っています。
一方でマジック界は、ほかの芸能よりもマイナーであると感じています。そのためマジックの価値を高めていけるような活動もしたいと思います。具体的に言えば、文楽劇場のような格式の高い場所でも披露できたらいいなと思っています。
ー地元、香美町の子どもたちにメッセージをお願いします。
片山 やりたいことがあるときは、あきらめずに続けて欲しいと思います。世の中でなれないものは無いと思っています。僕自身も、マジックを本気で続けて行くことを多くの人に反対されました。それでも負けずに頑張ったことで今の僕があると思っています。
ー今後も香美町で、マジックを披露する機会を作っていただけますか。
片山 それはぜひお願いします。やはり地元の方に見て頂く機会は、僕の中でも特別なので、大切にしていきたいです。
片山幸宏さんの経歴
1991年(平成3年)1月28日、村岡区入江生まれ。射添小・中学校、県立八鹿高校卒業後、鳥取大学に進学し、部活動でマジックを本格的に学ぶ。昨年7月、韓国・釜山で開かれたマジック界のオリンピックと称される世界大会「FISM2018」では、世界中から予選を勝ち抜いた100組以上の強者が集まる中、第3位に輝くなど、その卓越した指先のスキルは世界で高い評価を得ている。
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